新たな偽装!? エコ偽装 古紙偽装
エコ偽装! 年賀はがき・再生紙の6割が偽装だったとは!
「年賀はがき」の古紙配合率が規定を下回った問題で日本製紙グループ本社は、コピー用紙やノート用紙など再生紙の6割で配合率の偽装があったとの調査結果を発表しました。

日本郵政は、今年の年賀はがきだけでなく、すべての再生紙はがきについて、全納入メーカーが契約で決めた40%を下回る配合率で納入したと発表しました。その他王子製紙、三菱製紙、北越製紙、大王製紙でも比率が1~20%だったといいます。
日本製紙は、年賀ハガキへの再生紙利用がはじまった1996年当初から配合比率を偽っていました。コピー用紙やノート用紙などでも古紙配合比率を低くしていました。
国などに環境配慮製品の購入を義務付けたグリーン購入法の対象品では、たとえば古紙100%と表示したコピー用紙が実際には59%、80%としたノート用紙でも35%しか配合されていませんでした。
日本製紙によると、はがきの一部で再生紙が使われはじめた92年に、工場で発生する「損紙」も古紙として使えば技術的革新により配合率40%という基準を満たせるとみて受注を始めました。

(写真:記者会見する中村社長)
しかし損紙は古紙としてみとめられないことから技術革新も思うように進まず品質を維持しながら基準を満たすのが難しくなってきたのです。
最近は古紙の品質が低下し、基準達成の見通しが立たなくなってきました。昨年までの配合比率は1~5%、今年は1%だったといいます。
年賀はがきには配達先などを管理する目的でバーコードが刷り込まれています。
古紙比率を高めると紙の白さが損なわれ、郵便番号、くじ番号、バーコードなどの読み取りに支障をきたす恐れがあるといいます。環境配慮と品質確保の板ばさみになった形だが、契約を維持するため、基準を満たしていないことを知りながら納入したことは、消費者を裏切ったことになります。
消費者の方の中には環境問題に関心をもち積極的に古紙再生利用商品を購入している方々がいらっしゃるのにこれでは何のためのエコなのかわかりません。
昨年の食品偽装に続きエコ偽装と言わざるをえません。
古紙配合率偽装についてのQ&A
Q:製紙会社は古紙をどう使っているのですか?
A:印刷用紙やコピー用紙などの紙製品はパルプと呼ぶ木材繊維の固まりでできています。
原木チップを加工するバージンパルプのほかに、古紙から木材繊維を取り出して再利用する古紙パルプがあります。
古紙パルプはそのまま使うと灰色になるため脱墨という技術で白くします。
Q:再生紙にはどのような古紙を混ぜるのですか?
A:印刷用紙やコピー用紙は家庭やオフィスから集まる新聞古紙を利用する場合が多い。
製本所で発生する切れ端である色上古紙も使いますが、製紙業界に再生紙の定義はなく、紙製品用の古紙の種類や配合率の基準は決まっていません。
古紙を少しでも混ぜれば再生紙と呼べるのが現状です。
Q:再生紙はいつごろ普及したのですか?
A:王子製紙が「古紙100%」製品を発売したのは1990年代後半。古紙配合率の高い印刷物を優先調達しようとする自治体などの需要開拓を狙ったものです。
好評なため日本製紙など各社が開発や販売を競いました。
Q 価格面で古紙を使う利点はなんですか?
A:最終製品であるコピー用紙の代理店の販売価格は1キロ140円前後で、「古紙を使わない製品も再生紙も価格はほぼ同じ」。
現在、新聞古紙の問屋価格は1キロ当たり約14円。輸入チップは同約20円。
古紙は脱墨などに手間がかかりますが、パルプの生産コストは低いとされており、原料が安い分だけ製紙会社は利潤を生みやすいのです。
しかし、近年は中国の製紙会社との争奪戦で、古紙の価格は6年前に比べ新聞古紙で約1.8倍、段ボール古紙は3倍に上昇。国内メーカーは割増金をつけて問屋から古紙を買い取っており、利幅は縮小しています。
各社が不正に配合比率を下げていたのは、古紙を使うと品質を保つのが難しいなど主に技術的な理由が背景と見られますが、最近は価格面のうまみも薄れています。
