ミートホープ牛肉偽装事件
ミートホープ偽装事件 元社長が偽装を認める
不正競争防止法違反と詐欺罪の罪に問われた元社長の初公判
08年1月28日に食肉加工販売会社「ミートホープ」の食肉偽装事件で、偽装表示と詐欺の罪に問われた元社長、田中稔被告の初公判で起訴事実を認めました。
検察側は冒頭陳述で、偽装ミンチの売り上げに対する粗利益率が7割あったことなどを明らかにしました。
食の安全、安心に対する信頼を失墜させ、全国で食品偽装が露呈するきっかけとなった事件です。
田中被告は1976年にミート会社を設立した数年後から、利益を上げるために偽装を開始。
1996年ごろには本社工場の従業員らで「ひく肉斑」を組織し、偽装に使われた豚の心臓の仕入れ量や原料の配合率などを具体的に指示し、出来栄えを自らチェックしたといいます。腐った肉を使用する際、漂白剤を使用したことも判明しました。
新工場を開設した2004年以降は偽装規模も拡大。偽装ミンチなどの売り上げは年間3億5千万円で、ほかの商品の粗利益が3割にとどまるのに対し、7割に上ったといいます。
田中被告夫妻の役員報酬は年間約3500万円に達しており、同族以外の社員やパート従業員は月24万円以下の報酬で働かされていました。利益のほとんどが田中ファミリーの蓄財に当てられていたと言えます。
取引先だった北海道加ト吉の担当者が同社工場を抜き打ちで訪れた際、田中被告が従業員らに「加ト吉が来るから心臓をしまっておけ」と隠ぺい工作を指示したことも明らかになりました。
食品会社の偽装は後を絶たないようだ。
20年前から偽装常態化のミートホープ社
ミートホープ社は、鶏肉や豚肉、カモ肉を混ぜた牛ミンチ偽装のほか、外国産牛肉が混入したひき肉を国産と偽るなど、20年以上前から田中稔社長の指示に基づく不正が常態化し、10目以上に上ることが農水省の立ち入り検査で分かりました。
ミートホープ社牛肉偽装事件の背景
ミート社が1998年ごろから田中社長の指示で牛ミンチの偽装を始め、不正が社内で常態化していたことが社員らの証言で判明しました。
偽装された牛ミンチは北海道加ト吉など18社に出荷され、販売伝票が確認できた最近1年間では368トンを販売していました。
1983年ごろには大手鶏肉卸業者の包装材を入手し、鶏肉をつめて販売。倉庫には今もこの包装材15000枚が残っています。
2002年からは牛脂に豚脂を混ぜて牛脂と偽装し、国産と表示した牛スライスにはオーストラリア産など海外の牛肉を5~20%混入して販売。04年には発色が悪い豚ひき肉に牛の心臓を混ぜて売っていたことも明らかになっています。
原材料の偽装のほか、賞味期限も田中社長の指示で日常的に改ざんされていた。北海道加ト吉が廃棄するはずだった冷凍コロッケを安く買い取ったほか、他社で製造したフライドチキン、焼き鳥などを購入。
再包装した上で、賞味期限を先延ばしし販売していました。
北海道加ト吉に対する検査では、同社の工場にあったミート社製ひき肉を使った冷凍コロッケ30点のうち、表示と異なり豚肉や鶏肉が混入していたものが24点ありました。
ミート社は1976年に田中社長が食肉や魚肉の卸売会社として設立。その後、経営多角化に成功し、バイキングレストランなどの系列会社を含めた従業員は約500人に上っています。
同社単独の2006年3月期の売上高は約16億5千万円。同社は25日、営業再開の見通しが立たないなどとして従業員約60人に解雇を通告しました。
偽装肉回収で保険金受領 ミート社過失装う
食肉偽装事件で北海道警の家宅捜査を受けた苫小牧市の食肉加工販売会社「ミートホープ」が、1997年当時、同社の肉を原料に使った製品が回収となり取引先から賠償請求された際、「従業員が誤って羊肉を混ぜた」と過失を装い保険金約320万円の支払いを受けていたことが25日判明しました。
保険代理店との交渉にかかわった元社員が、保険金見積書などを基に証言しました。
元社員によると、偽装肉を巡るクレームや回収などは度々あり、そのつど、従業員の過失を装い保険金を請求していたという。
保険金を支払った保険会社の代理店は「故意であれば保険金は支払われないし、過失を装ったのなら詐欺行為にあたる」と指摘しています。
ミートホープ社とは
会社概要
1976年田中社長が創業。事件発覚まで道内の食品加工卸業界売上第1位をしめていました。
工場は本社兼工場と、苫小牧市汐見町にあり、他に東京都荒川区東日暮里に東京オフィスがあります。
また、ミートホープ創業者である社長の田中稔は2006年4月に、
だが、翌月には製造したチャーシューに対し法で指定した添加物の基準値が超えていたとして業務停止命令が下ったことがあります。そして、2007年6月20日には、牛肉ミンチの品質表示偽装事件を筆頭に数々の不正が明らかとなりました。
株式の大部分を創業者一族が持つ典型的な同族経営であり田中社長のワンマン経営が招いた偽装事件です。
ミートホープ社沿革
| 年月日 | 沿革 |
| 昭和51年6月 | 苫小牧市花園町にミートホープ株式会社を設立 業務用食肉を販売 |
| 昭和53年12月 | 苫小牧市港町の苫小牧市公設卸売センターに入店 学校、自衛隊、スーパー、精肉店へ卸販売 |
| 昭和58年10月 | 苫小牧市入船町に本社工場設立 焼肉店、レストラン等業務卸販売 ラムの解体、パック肉の加工 |
| 平成3年6月 | 本社工場の増設 食肉製品製造業、水産加工品製造業惣菜製造業 各種許可取得 ホテル、レストラン食材製造、業務卸 |
| 平成3年7月 | 小売部門:有限会社バルスミート設立、1号店を開店 |
| 平成7年11月 | バイキングレストラン:株式会社イートアップを設立 |
| 平成7年12月 | 食肉加工用機械設備の増設完了 |
| 平成8年4月 | 細菌検査室設置 工場内の改造(衛生設備・器具設置) |
| 平成11年9月 | 工場の増設(挽肉工程のライン化ハム包装のクリーン室化) |
| 平成12年10月 | 工場内、全体の改善工事(衛生、安全) |
| 平成13年6月 | X線検査機の導入 |
| 平成16年11月 | 汐見工場設立 |
| 平成17年7月 | 東京オフィス設立 |
| 平成18年6月 | 挽肉の赤身と脂肪の混ざり具合を均一にする製造器開発 文部科学大臣表彰創意工夫功労賞を受賞 |
ミートホープ社の系列会社
* 株式会社イートアップ--直営レストラン「バイキングレストラン・イートアップ」事業など
* バルスミート--小売事業など
